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  1. 畳の引き取り
  2. 寸法の計測
  3. 畳床の補修
  4. 畳表の目押し
  5. 表張り
  6. 框縫い
  7. 平刺し
  8. 返し縫い
  9. 下前幅切落し
  10. 7〜8を繰返す
  11. 完成
   
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目押し@

 目押し定規を、畳表の谷に合わせ(写真;定規の手前側)包丁の背で印を付けます(写真;定規の奥側)。

※光の向きにより微調整します。
 写真手前からの光は、目押し定規を畳表の谷が隠れるぐらいに置き印を付けます。
 逆に写真奥からの光は、谷がはっきり見える位置に定規を置いて印を付けます。

目押しA

@でつけた印の上を包丁で切ります。

※目乗りは、光の向き(窓の位置)により縁の陰で、“ちら”(表の谷目が見えてしまう)や、逆にかぶって(一目が出ず欠けてしまう)しまいます。そこで部屋の間取りを考え一畳毎に目押しを微調整することにより、どの畳も綺麗な目乗りに見えます。

4.畳表の目押し

畳表を畳床に張るための基準を3ヶ所切れ目を入れます。この時に目押し定規を使い、縁幅に応じて目乗りになるように切れ目を入れます。

丈寸法の修正(←写真は板入畳の場合)

板入れ畳床の場合、待針で板を引き出し縫糸で絡げとめる事により、敷き合せの角がきちんと出来ます。

口ござを入れる1

畳床の端が広く薄くなっているので、幅を広めに切ったゴザを準備しています。

 畳床の端は、年月や表替え、裏返しを重ねると少しずつ厚みが薄くなります(断面がかまぼこ型になり、部屋全体では波打った様になります)。薄くなった部分へござを縫付けて補修することにより、平らな畳になります。

口ござを入れる2

大雑把に補修するとかえって凸凹になってしまうので、短時間に適当な補修をするのには経験が必要で難しいです。

1.かき落とし

 畳表の余分な部分を、切り取ります。
 上前は直線に、下前
注;
上前(うわまえ;畳どうしが接する辺、又は、部屋の中心側の辺)
下前(したまえ;寄木に接する辺、又は、部屋の外側の方の辺)

2.上前の通り

縁を張り、縁下紙を置き、定木を当てて上前の通りを直す。

3.レールを留める

レールを載せ、縫い代を調節して留める。

4.機械をかける1

縁や縁下紙などの縫い代を調整しながら機械をかける。
注;
当店では通常、この平刺しの部分だけ機械を使っています。
なお、特に目がつんでいて上質な畳表に関しては、レールの留め針でイ草を切ってしまう為、手縫いで仕上げます。

5.機械をかける2

縫い始めと、縫い終わりは細かく縫います。

7.平刺し

 昔は手縫いで、肘をこすって締めていました。手縫いは一針一針、完全に均一に縫うことは出来ませんが、逆にその微妙なムラが味となって見えるかもしれません。
 最近では機械化が進み、写真の様な小型縫着機を使う畳店も少なくなりました。

1.框縫い1

 接する畳や寄木の厚さに合わせて、左手で測りながら縫います。

2.框縫い2

畳表に傷の付かないように、丁寧にすばやく縫います。

3.框縫い(伏せ框縫い)1

 上質な畳表をつける場合、“くわえ”を使い、予め厚さを調節します。
注;
くわえ=コの字型で、畳の厚さを測る道具

4.框縫い(伏せ框縫い)2

 1〜2のように針を表側に出さず側面に出します。これは針穴を表に作らないようにする為の手間を掛けた縫い方です。

6.框縫い

 畳寄せや隣の畳に応じて厚さを加減しながら縫います。
 機械では均一に縫うことが出来ますが、畳床や寄木の厚さにムラがある場合、そのムラに対応できず、その部分だけ厚くなったり薄くなったりします。

表張り@ 畳床を反らせる

 表を張るときには、畳床の框(畳の短辺)の下2ヶ所に3尺定木を挟み、真中に乗り畳床を反らせます。
 反らせることにより、框を縫い終え畳床を伸ばすと、畳表がピンと弛みなく張ることが出来ます。

※化学・建材畳床やワラサンド畳床は、反らせる作業を繰り返すうちに、重ねられた層がずれ、納まりが次第に悪くなります。
 本畳床=100%稲わら床
 化学建材床=異なる素材を何層かに重ねた床

表張りA


 3ヶ所“目押し”した畳表の端2ヶ所を目印にして、表をイ筋が通るように(イグサが曲がらないように)少しずつ張っていきます。

表張りB

表の種類(重さが違います)により、軽く引けば張ることが出来るものから、何度も何度も手前に叩きながら少しずつ張れるようなしっかりした畳表があります。

5.表張り

表張りは、一本一本のイグサが曲がらず、表に弛み(たるみ)のないように丁寧に張ります。

 お客様宅から畳を引き上げる時に、敷き合せの隙間や段差、柱の位置などを赤鉛筆などで畳に直接書き込みます。

作業前、台の上に畳を載せたところ

 この状態でまず丈寸法を測ります。
 裏返して、表の巻き加減(表で框の厚さを調整します)を見ながら框の縫い糸を切ります。
 表に返して上前の縁をほぐすと幅寸法を測れます。

※大型機械仕上げ※

寸法の計測

 真中(中かね)の幅寸法の計測

 丈寸法は2ヶ所、幅寸法は最低3ヶ所の寸法を測ります。
 柱や壁が曲がっている場合は、その箇所ごとに寸法を測ります。
 下前の縁をほぐして、表をはがします。

2.寸法の計測

(表はがしと寸法計測)

作業場へ運び込んだ畳を、表向きに台の上に載せます。まず丈寸法を測り、框と上前の縁をほぐしてから幅寸法を測ります。最後に下前の縁をほぐすと表をはがせます。

OmoteKae

表替え

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3.畳床の補修

畳の納まりは、隙間なく平らであることが重要!補修は表替えや裏返しに欠かせない作業です。
丈寸法は、框の角にワラを縫い付けて寸法を調整します。
幅寸法は、〔8.下前幅切落し〕で調整します。
畳床の凹凸や家具の跡は、わらや古ござを用いて直します。