ダニ・カビと聞いて心地よいと思う人はまずいないでしょう。それを認識した瞬間なんだか痒くなったり、息を止めてしまったり。できるだけ遠ざけたい存在ですよね。そんなダニ・カビと畳の素材のお話をしたいと思います。
よくダニ・カビが発生しにくい機能性素材がありますが、確かに素材単体で実験してみれば間違いないでしょう。でも、生活していくうえで実験室のような環境を整えることは不可能なことで、家の中には様々な物質で溢れているはずです。
ダニの生態について
・成虫の寿命:約1~3ヶ月
・産卵数:成虫は一週間で20個程、一生のうちに50~100個産卵
・卵から成虫になるまでの期間:約2週間~
あえて計算しませんが、環境が整えばネズミ算式に短期間で爆発的に増える可能性があります。
ダニ・カビの好む環境とは
1.温度 20℃~30℃の温度帯で最も活発になります。
2.湿度 60%以上なると活発になります。
3.栄養源 ホコリや食べかす、髪の毛、フケなどを栄養源としています。
この3要素が揃うと爆発的に増殖する可能性がでてきます。
考えられる対策は
ダニ・カビが活発になるための3要素は、「温度・湿度・栄養源」でしたね。この中で人が一番簡単にコントロールできるものは、「栄養源」です。
理由として能動的な対策が可能だからです。栄養源は、ホコリや食べかす、髪の毛、フケなど、私たちの生活の中で発生するものがほとんどです。そのため、こまめな掃除や整理整頓によって、比較的簡単に取り除くことができます。
カビについては扇風機や人が動くことでも湿度の高い重い空気を拡散でき予防ができます。できるだけ開かずの部屋や澱みを作らないようにご注意ください。
温度・湿度については
1.温度 季節や天候に左右されることが多く、自分自身でコントロールすることは難しいです。
2.湿度 天候や場所によって大きく変動するため、完全にコントロールすることは難しいです。除湿機やエアコンなどである程度コントロールできますが、限界があります。
まとめ カビ・ダニ
温度・湿度・栄養源のうち、栄養源は私たちの行動によって最も簡単にコントロールすることができます。こまめな掃除や整理整頓によって栄養源を減らすことは、ダニやカビの繁殖を抑制し、快適な生活環境を維持するために非常に重要です。
もちろん、温度や湿度もダニやカビの繁殖に大きな影響を与えるため、適切な対策を行うことが大切です。しかし、まずは栄養源を減らすことから始めるのが、最も手軽で効果的な対策と言えるでしょう。
ほとんどの場合、生活環境全体の管理を上手にできれば問題は解決できるはずです。
清潔な環境を保つことで、家族みんなが快適に過ごせますよね。
ただ、皮膚の弱い方や何か疾患がある方などは、プラスαとして機能性素材に頼るのも良いと思います。
ちなみに、うちの家族は綺麗好きで日ごろからちょこちょこ掃除機をかけ、週に一度は細かい物を動かしながら丁寧な掃除をしてくれます。ネコ2匹(時々+1匹)も居ますが快適な住まいです。
機能性素材の評価は?
ちょっと話は逸れますが、私は年を重ねてきて暑いのと寒いのがものすごく苦手になってきました。なので、
冬の防寒にヒートテックやブレスサーモなど機能性のある素材を身に着けています。確かに暖かい!が、それ一枚で外に出られるかと言われれば「No~!」「無理です!」と答えます。そりゃ~そうです環境に合わせて考えて重ね着など対策しなければ暖かいはずありません。
冒頭でも書きましたが、機能性素材は実験室での有用性は認められていますが実証実験したわけではありません、そもそも「ダニ・カビは実験室にいるわけじゃない!私の部屋にいるんだ!」ん?なにか変な言い回しだな、人が生活していれば色々な物質が床面に降りそそいできます。ホコリ、花粉、頭髪、フケ、食べかす、飲みこぼし、赤ちゃんがいればヨダレ、皮脂、などなどなど。
どんなに高機能を誇る素材でもその上を堆積物が覆ってしまえばどうなるでしょう?


DAIKEN ダイケン畳 健やかくんとは?より引用
実験では明らかに違いますね。
試験方法は分かりませんが、上のカビ発育試験、ケナガコナダニ増殖性試験ともに一見すると物凄く差があります。が、10日目以降に差が出てくるので、3~4日に一度、少なくとも一週間毎に掃除をすれば爆発的に増えることはなさそうです。10日以上掃除をしなければお部屋の中はダニ問題以前に快適とは言えなさそう、、、
実際の現場ではなかなか評価しにくい場合もありますので、選択する際に過大評価しすぎないことも大事です。
素材はそれでいいの?
上記の文章は、人によっては建材の悪口に取れるかもしれませんが、実は畳業界の現状として稲わら床の生産量は1%以下と思われます。1000年以上かけて日本文化の一端を担ってきた畳が、たった50年余りで素材ごと入れ替わってしまっていいんだろうか。
少し年配の方に畳床の話しを聞くと「わら床でしょ!」と返ってきたものです。そんなお客様の家も建て替わると建材床に変わっていたり、15㎜しかない畳だったり。お客様から「なんか変だと思ってた」と。
誰が選んでいるのですか?
決して新素材を否定するつもりはありません。床材としてみれば選択肢が広がることはとても良いことですが、畳文化としてみると今の流れはこれまでの畳を全否定しているようでとても寂しく悲しい。
うまくまとめられず脱線していますが、稲作文化から発展してきた畳の素材「稲わら床」のネガティブな面ばかりではなく、良いところも見て下さいませ。
素材のお話しはまたいつか…
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